ぽえ夢だった

明け方、起きるまでのほんのわずかな時間に見た夢。昔の名もない人が書いた謎の「ぽえ夢」を読んでいる。のか、もしかしたらだれかが朗読しているのを聞いていたのかもしれない。
部分的にしか覚えてないのでもうちょっと長かったような気もする。
起きたとき心の臓がちょっと苦しかった。

たけおさん たけおさんは しなこのことが
いまも好きなのでせう?

しなこがのうなって
しばらくたったある日
家族みんながぶつだんの間でおしゃべりしていたときのこと

しなこがまだいるやうね

すがたは見えねど

たけおさん たけおさんは しなこがたいせつにしていた
あのちいさな花のことをおぼえているでせう?
すてられずに たんすの上におきっぱなしになっていた
あのしおれた花が

そしたらあの花が ほんのすこしの間だけど
いきいきとまっすぐになって
もういちどいきかえったやうに
ほんとうにまっすぐにぴんと立って

いきいきとして

生き生きとして

しなこ かえってきた

いきいきとして

どのくらい たったか
おぼえとらんが

気づいたら
しなこは もういなくて
あの花もまたしおれてた
前とおなじやうに

たけおさん たけおさんはしなこのことが
まだ好きなんでせう
Until the real thing comes along